3.経審のP点とは?仕組みと公共工事での使われ方をわかりやすく解説

経営事項審査では通常、総合評定値を請求し「P点」と呼ばれる点数の通知を受けます。

しかし、

「P点は何を表しているのか」

「点数が高いと何が有利になるのか」

「P点がなければ入札に参加できないのか」

といった疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。

この記事では、経審のP点とは何か、どのような項目から計算され、公共工事でどのように使われるのかをわかりやすく解説します。

<前回の記事>

2.経営事項審査を受けるまでの流れ|決算後から結果通知までをわかりやすく解説

https://nonaka-legal.jp/2026/08/07/%e7%b5%8c%e5%96%b6%e4%ba%8b%e9%a0%85%e5%af%a9%e6%9f%bb%e3%82%92%e5%8f%97%e3%81%91%e3%82%8b%e3%81%be%e3%81%a7%e3%81%ae%e6%b5%81%e3%82%8c%ef%bd%9c%e6%b1%ba%e7%ae%97%e5%be%8c%e3%81%8b%e3%82%89%e7%b5%90/

目次

P点とは経審の総合的な評価点

P点とは、経営事項審査における総合評定値のことです。

建設会社の工事実績、経営状況、技術力、社会性などを共通の基準で点数化し、それらを総合して算出します。

簡単にいえば、公共工事を発注する国や自治体が、建設会社の経営規模や施工能力を客観的に判断するための点数です。

経審では、経営状況を表すY点と、経営規模等を表すX・Z・Wの各点数が算出されます。これらを組み合わせたものがP点です。

P点は何をもとに計算される?

P点は、主に次の5つの評価項目から計算されます。

  • X1:完成工事高
  • X2:自己資本額や利益額
  • Y:経営状況
  • Z:技術職員数や元請完成工事高
  • W:社会性等

Wでは、建設業の営業年数、防災活動への貢献、法令遵守、建設機械の保有、担い手の確保・育成に関する取組などが評価されます。

現在、P点は次の割合で計算されます。

P点=X1×25%+X2×15%+Y×20%+Z×25%+W×15%

つまり、単に売上が大きければ高得点になるわけではなく、財務内容、技術者、元請実績、社会的な取組なども評価に影響します。

P点は許可業種ごとに算出される

P点は、会社全体に一つだけ付けられるものではありません。

土木一式工事、建築一式工事、電気工事、管工事など、経審を受けた建設業種ごとに算出されます。

例えば、同じ会社でも、

  • 土木一式工事:900点
  • とび・土工工事:850点
  • 舗装工事:820点

というように、業種によってP点が異なることがあります。

完成工事高や元請完成工事高、技術職員数は業種ごとに評価されるため、どの業種で公共工事を受注したいのかを考えて経審を申請することが重要です。

P点は何に使われる?

P点は、国や自治体などが行う入札参加資格審査で使用されます。

公共工事の発注機関は、経審による客観的な評価と、各発注機関が独自に定める評価を組み合わせて、建設業者の順位や格付けを行います。

例えば、建設業者を、

  • Sランク
  • Aランク
  • Bランク
  • Cランク

などに分け、そのランクに応じて参加できる工事の金額や範囲を定めることがあります。

茨城県でも、総合評定値を基礎とし、県が定める技術等評価事項を加えて、入札参加資格や発注金額の標準となる等級を決定しています。

ただし、P点の使い方や格付けの基準は、国、都道府県、市町村などの発注機関によって異なります。

P点だけで落札者が決まるわけではない

P点が高いからといって、必ず公共工事を受注できるわけではありません。

P点は、主に入札参加資格や格付けを判断するための客観的な評価点です。

実際の入札では、入札価格のほか、工事実績、配置予定技術者、地域での施工実績など、それぞれの工事で定められた条件も確認されます。

そのため、P点は公共工事へ参加するための重要な評価ではありますが、落札者を直接決める唯一の点数ではありません。

P点は請求しなければ通知されない

経営規模等評価を申請しただけでは、P点が自動的に通知されるわけではありません。

P点の通知を受けるためには、許可行政庁に対して総合評定値を請求する必要があります

実務上は、経営規模等評価の申請と総合評定値の請求を、同じ申請書を使って同時に行うのが一般的です。

P点を請求しなかった場合は、X・Z・Wなどの経営規模等評価の結果は通知されますが、総合評定値であるP点は通知されません。

P点を取得しないと入札参加資格を申請できない?

入札参加資格の条件は、発注機関ごとに定められています。

ただし、公共工事の一般的な入札参加資格審査では、P点が記載された経審結果通知書を使用します。

特に茨城県では、P点を基礎として入札参加資格や等級を決定するため、県の建設工事入札参加資格を取得する場合は、総合評定値を請求しておく必要があります。

総合評定値の請求は制度上任意ですが、多くの発注機関の入札参加資格審査でP点が使用されます。そのため、公共工事への参入を予定している場合は、通常、経営規模等評価の申請とあわせて総合評定値を請求します。

P点が高ければ高いほどよい?

P点が高ければ、客観的な評価が高いことを意味します。

その結果、発注機関の格付けで上位の等級に認定され、より規模の大きな工事に参加できる可能性があります。

一方で、上位の等級になると小規模な工事に参加できなくなるなど、発注機関の制度によっては、単純に点数が高ければよいとは限りません。

自社がどの発注機関の、どの規模の工事を受注したいのかを考えたうえで、目標となるP点や格付けを確認することが大切です。

まとめ

P点とは、経営事項審査における総合評定値です。

建設会社の完成工事高、経営状況、技術力、社会性などを総合的に評価し、経審を申請した業種ごとに算出されます。

P点は、国や自治体が行う入札参加資格審査や、建設業者の格付けを決める際の基礎となる重要な点数です。

ただし、経営規模等評価を申請しただけではP点は通知されません。公共工事への参入を予定している場合は、経営規模等評価の申請とあわせて総合評定値を請求する必要があります。

当事務所では、決算変更届、経営状況分析、経営規模等評価申請、総合評定値の請求まで、経営事項審査に関する手続をサポートしております。

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