事業を始める土地はどう選ぶ?市街化区域と市街化調整区域の違いを解説

店舗や事務所、工場などを開業する際、土地や物件選びはとても重要です。立地や価格が魅力的でも、法律上の制限によって希望する事業ができない場合があります。

特に確認しておきたいのが、市街化区域と市街化調整区域の違いです。一般的な店舗や事務所などの開業であれば、まずは市街化区域の物件から検討するのがおすすめです。ただし、市街化区域でも用途地域などの制限があります。

この記事では、それぞれの区域の違いと、土地や建物を契約する前に確認したいポイントを分かりやすく解説します。

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1. 市街化区域と市街化調整区域の違い

土地には都市計画法によるさまざまな制限があります。その中でも、事業用地を選ぶ際に重要なのが、市街化区域と市街化調整区域の区別です。

市街化区域とは?

すでに市街地となっている区域や、今後おおむね10年以内に優先的・計画的に市街化を進める区域です。住宅、店舗、事務所などが集まり、道路や上下水道が比較的整っている場所も多いため、一般的には事業用物件を探しやすい地域といえます。ただし、自由にどんな建物でも建てられるわけではありません。

市街化調整区域とは?

市街地が無秩序に広がることを防ぐため、開発や建築を制限している区域です。建物の新築や用途変更などには強い制限があり、購入した土地に事務所を建てられない場合もあります。すでに建物があっても、自由に別の事業で使用できるとは限りません。ただし、法律や自治体の基準に該当すれば認められる場合もあります。

2. 事業を始めるなら市街化区域がおすすめ

新しく店舗や事務所を構える場合は、まず市街化区域で物件を探すと、一般的に選択肢が広くなります。ただし、用途地域の確認が欠かせません。

用途地域によって建てられる建物が違う

用途地域は、住宅地・商業地・工業地など、それぞれの地域に適した土地利用を進める仕組みです。住宅を中心とする地域では大規模な店舗や工場が制限されることがあり、商業系の地域では店舗や事務所を設けやすい傾向があります。工場は業種や規模によって立地可能な地域が異なります。

市街化区域であっても、希望する事業がその用途地域で認められるか、個別に確認しましょう。

3. 空き店舗や空き家を活用する場合

既存の建物を借りて事業を始めれば、新築するよりも費用や準備期間を抑えられる可能性があります。例えば、空き店舗で飲食店を開く、住宅を事務所にする、廃業した診療所を別の施設にする、といったケースです。

ただし、用途が変わる場合には建築基準法や都市計画法などの確認が必要です。特に市街化調整区域では、過去の許可内容によって変更が制限されることがあります。建物が残っているから、そのまま使えるとは限りません。

4. 土地を選ぶ際に確認したいこと

道路と駐車場

建物を新築する場合は、敷地が接する道路の種類や幅員、接道条件などが重要です。来客や従業員の駐車場、車の出入りのしやすさも確認しましょう。

上下水道と排水

上下水道が整備されていない土地では、井戸や浄化槽の設置、排水先の確保などに追加費用がかかる可能性があります。

農地転用

田や畑を店舗、駐車場、資材置場などにする場合には、農地転用の手続きが必要になることがあります。市街化区域内の農地は、原則として農業委員会への届出によって転用できます。一方、市街化調整区域などでは原則として許可が必要で、農地の区分によっては転用が難しいこともあります。

農用地区域内の農地などでは、転用前に農用地区域からの除外などを検討する必要があります。実際に農地に該当するかは登記地目だけでなく現況も踏まえて確認します。

5. 市街化調整区域の土地を選びたい場合

市街化調整区域は、広い土地を比較的安く借りたり購入できたりすることがあります。しかし、価格や広さだけで契約を進めるのは注意が必要です。

予定する事業が認められる許可基準があるか、過去にどのような許可を受けているかを、まず確認しましょう。具体的な基準は自治体や土地の条件によって異なります。

なお、建物を建てない資材置場などでも、造成の内容や農地法その他の規制による確認が必要な場合があります。

6. 土地や物件の契約前に確認しましょう

物件の候補が見つかったら、少なくとも次の項目を確認することをおすすめします。

  • 市街化区域と市街化調整区域のどちらにあるか
  • 予定する事業が用途地域に適合するか
  • 建物の新築や用途変更が認められるか
  • 農地転用などの手続きが必要か
  • 道路・上下水道・駐車場などの条件が整っているか
  • 営業許可・施設基準などを満たせるか

許可の見通しが分からないまま購入・賃借すると、事業計画を大きく見直すことになりかねません。必要に応じて自治体に相談し、許可が得られなかった場合の契約条件も検討しましょう。

まとめ

事業用地を探すときは、まず市街化区域で、希望する事業に適した用途地域の物件を検討すると、比較的スムーズに進めやすいでしょう。ただし市街化区域にも制限があり、市街化調整区域でも条件次第で事業を行える場合があります。

大切なのは、その土地で希望する事業ができるかを、契約前に確認することです。

土地利用・開業に関するご相談

のなか行政書士事務所では、茨城県つくば市を中心に、事業を始める際の土地利用や各種許認可についてご相談を承っております。

「この土地で予定している事業ができるのか」「契約前に何を確認すればよいのか」といった段階でも、現在の計画をお伺いしたうえで確認事項を整理いたします。

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