市街化調整区域の空き店舗や空き家は事業に使える?用途変更の注意点を解説

市街化調整区域にある空き店舗や空き家を見つけて、「建物が残っているなら、そのまま事務所や店舗として使えるのでは?」と考えたことはありませんか?

実は、市街化調整区域では、すでに建物があっても、自由に別の用途で使用できるとは限りません。

例えば、以前は飲食店だった建物を事務所に変更したり、住宅を店舗として使用したりする場合には、都市計画法上の許可が必要になることがあります。この記事では、具体例を交えて注意点を解説します。

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1. なぜ建物があるのに自由に使えないの?

市街化調整区域は、市街化を抑えることを基本とする地域です。そのため、建物を建てるときだけでなく、後から使い方を変える際にも制限が問題になります。

例えば、住宅として認められた建物、地域住民向けの店舗として許可された建物、農業用の施設として建てられた建物では、それぞれ建てられた経緯や条件が異なります。

住宅を事務所にしたり、農業用倉庫を一般企業の倉庫にしたりすると、当初認められた用途と異なる利用になる可能性があります。建物を壊さず、内装だけを変更する場合でも注意が必要です。

2. こんな場合は用途変更の確認が必要です

住宅を事務所として使いたい

空き家を借りて会社の事務所として使用するケースです。住宅として建てられた建物を事務所へ変更できるか、確認が必要です。

閉店した飲食店を別の店舗にしたい

以前も店舗だったからといって、どのような店舗でも使えるとは限りません。地域住民向けの店舗として許可されていた場合などは、新しい営業内容が当初の条件に合うかを確認します。

廃業した診療所や学校を事務所にしたい

診療所や学校として使われていた建物を、一般企業の事務所などに転用するケースです。建物が適法に建てられていても、別の用途で利用できるとは限りません。複数の会社が入居する場合は、各社の事業内容や使用区画も整理します。

3. 用途変更には許可が必要なの?

まず、土地・建物が過去にどのような許可を受けているかを調べます。適用される手続きは、開発許可の履歴などによって異なります。

開発許可を受けている場合

開発許可を受けた区域では、原則として、許可時に予定されていた用途と異なる建物の建築や用途変更が制限されます。用途を変える場合には、都市計画法第42条に基づく許可などを検討します。

開発許可を受けていない区域の場合

開発許可を受けた区域以外では、都市計画法第43条に基づく許可などを検討する場合があります。線引き前から建つ建物など、建築された経緯によって扱いが異なることもあります。

すべての用途変更に許可が必要なわけではありません。 建築時期、過去の許可や利用状況、変更後の用途などを確認して判断します。また、使用者や事業者の変更について確認が必要なこともありますが、人が変わるだけで必ず用途変更の許可が必要になるわけではありません。

4. 都市計画法以外にも注意が必要です

都市計画法上の問題をクリアしても、それだけで営業を開始できるとは限りません。

建築基準法

変更後の用途や規模によっては、建築確認申請が必要になる場合があります。確認申請が不要でも、変更後の建物に適用される基準への適合は別途確認が必要です。

消防法

飲食店や福祉施設などでは、利用形態に応じて消火器、自動火災報知設備、誘導灯などが必要になることがあります。

営業許可・事業所の指定

飲食店や児童福祉施設などでは、事業ごとに定められた設備や人員の基準も確認する必要があります。

賃貸借契約

建物を借りる場合は、予定する事業での使用や改修工事について、所有者の承諾・契約条件も確認しましょう。

5. 物件を借りる前に確認しましょう

市街化調整区域の物件は、敷地の広さや賃料・購入価格が魅力的なこともあります。しかし、契約後に希望する用途で使えないと分かれば、事業計画を大きく見直すことになります。

物件が見つかった段階で、次の情報を整理しておくことをおすすめします。

  • 土地と建物の所在地
  • 建物が建築された時期と過去の用途
  • 過去の開発許可・建築許可の内容
  • 新しく始める事業の内容
  • 予定する改修工事の有無

所有者が昔の許可書を持っていない場合でも、行政庁で許可履歴や開発登録簿などを確認できることがあります。契約を急ぐ場合も、許可等が得られなかったときの契約上の取扱いを検討しておくことが大切です。

まとめ

市街化調整区域では、既存の建物であっても、自由に店舗や事務所として使えるとは限りません。特に、以前とは異なる事業を始める場合には、用途変更が認められるかを事前に確認することが大切です。

「以前も店舗だったから大丈夫」「内装を変えるだけだから許可はいらない」と安易に判断しないようにしましょう。

既存建物の活用・用途変更のご相談

のなか行政書士事務所では、茨城県つくば市を中心に、既存建物の用途変更や開発許可に関するご相談を承っております。物件を購入・賃借する前の段階でも、土地や建物の状況を確認し、必要な手続きについてご案内いたします。

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