1.建設業許可を取得するメリット・デメリット
建設業許可を取得すると、受注できる工事の範囲が広がり、取引先からの信用にもつながります。
一方で、許可取得後も毎年の届出や更新手続が必要となるため、取得するメリットと維持にかかる負担の両方を確認しておくことが大切です。
建設業許可を取得するメリット
・受注できる工事の金額が広がる
建築一式工事以外では、1件の請負代金が500万円以上となる工事を請け負えるようになります。建築一式工事の場合は、1件の請負代金が1,500万円以上となる工事などを請け負うために許可が必要です。金額はいずれも消費税込みで判断します。
・元請会社や取引先からの信用につながる
建設業許可は、一定の経営体制、技術者、財産的基礎などの要件を満たして取得するものです。許可番号をホームページや名刺、会社案内などに掲載することで、取引先に安心感を与えやすくなります。
・元請会社や大手企業と取引しやすくなる
元請会社によっては、協力会社や下請業者として登録する条件として、建設業許可の取得を求める場合があります。
・受注の機会を逃しにくくなる
工事金額が大きくなった場合や、追加工事によって請負金額が増えた場合にも対応しやすくなります。
・公共工事への参入を目指せる
建設業許可を取得したうえで、経営事項審査や入札参加資格審査を受けることで、公共工事への参入を目指すことができます。
・将来の事業拡大に備えられる
現在は小規模な工事が中心でも、将来的に受注規模を拡大したい場合には、許可を取得しておくことが事業拡大の準備になります。
建設業許可を取得するデメリット
・申請費用がかかる
許可申請には法定の手数料がかかります。行政書士へ申請を依頼する場合には、法定費用とは別に行政書士報酬も必要になります。
・多くの書類を準備する必要がある
役員の経歴、技術者の資格や実務経験、財務状況などを確認するため、さまざまな証明書類を準備しなければなりません。
・毎年、決算変更届を提出する必要がある
建設業許可を取得した後は、毎事業年度の終了後4か月以内に、工事経歴書や財務諸表などを含む決算変更届を提出する必要があります。
・5年ごとに更新手続が必要になる
建設業許可の有効期間は5年間です。引き続き建設業許可を維持する場合は、有効期間が満了する前に更新申請を行わなければなりません。
・変更があった場合には届出が必要になる
役員、商号、所在地、営業所、経営体制、営業所の技術者などに変更があった場合は、内容に応じた変更届を提出する必要があります。
・許可要件を維持し続ける必要がある
許可取得後も、経営体制や営業所の技術者などの要件を継続して満たさなければなりません。要件を満たす人が退職した場合などには、許可を維持できなくなる可能性があります。
・申請内容の一部が閲覧される
提出した許可申請書や決算変更届の一部は閲覧の対象となるため、会社の基本情報、工事実績、財務内容などを外部から確認される場合があります。
・小規模工事のみを行う場合は負担が大きいことがある
今後も軽微な工事のみを請け負い、取引先からも許可を求められていない場合には、取得費用や毎年の事務負担がメリットを上回ることもあります。
建設業許可を取得すべきか迷ったら
建設業許可を取得することで、受注できる工事の範囲が広がり、取引先への信用にもつながります。
その一方で、取得後は毎年の決算変更届や5年ごとの更新、各種変更届などを継続して行わなければなりません。
現在の受注状況だけでなく、今後請け負う予定の工事金額や、元請会社から許可を求められているか、将来的に事業を拡大する予定があるかなどを踏まえて判断することが大切です。
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