3.建設業許可を取得するための4つの要件とは?欠格要件もわかりやすく解説

建設業許可を取りたいと思っても、

「自分の会社は許可の要件を満たしているのか」

「資格を持っている人がいれば取得できるのか」

「会社を設立したばかりでも申請できるのか」

など、さまざまな疑問があると思います。

建設業許可は、申請書を提出すれば必ず取得できるものではありません。

建設業法で定められた4つの許可要件をすべて満たし、欠格要件に該当しないことが必要です。

この記事では、建設業許可を取得するための要件を、初めての方にもわかりやすく解説します。

<前回の記事もご覧ください>

2.そもそも建設業許可とは?許可が必要な工事や種類をわかりやすく解説

https://nonaka-legal.jp/2026/08/05/%e3%81%9d%e3%82%82%e3%81%9d%e3%82%82%e5%bb%ba%e8%a8%ad%e6%a5%ad%e8%a8%b1%e5%8f%af%e3%81%a8%e3%81%af%ef%bc%9f%e8%a8%b1%e5%8f%af%e3%81%8c%e5%bf%85%e8%a6%81%e3%81%aa%e5%b7%a5%e4%ba%8b%e3%82%84%e7%a8%ae/

目次

建設業許可を取得するための4つの要件

建設業許可を取得するための要件は、次の4つです。

  1. 建設業の経営を適正に行える体制があること
  2. 営業所に必要な技術者を置いていること
  3. 請負契約について誠実性があること
  4. 一定の財産的基礎があること

さらに、申請者や役員などが、建設業法で定められた欠格要件に該当しないことも必要です。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1.建設業の経営を適正に行える体制があること

1つ目は、正式には「建設業に係る経営業務の管理を適正に行うに足りる能力」があることです。

この要件には、主に次の2つが含まれます。

  • 建設業の経営について一定の経験を持つ人がいること
  • 必要な社会保険に適切に加入していること

建設業の経営経験がある人を置く

法人の場合は常勤役員等のうちの1人、個人事業主の場合は本人または支配人のうちの1人が、一定の経営経験を持っていることなどが求められます。

このうち、建設業の経営経験を有する常勤役員等に関する部分は、実務上「経管」と呼ばれることがあります。

代表的な基準は、次のいずれかです。

  • 建設業について5年以上、経営業務の管理責任者としての経験がある
  • 建設業について5年以上、経営業務を執行する権限を与えられた立場で、経営業務を管理した経験がある
  • 建設業について6年以上、経営業務の管理責任者を補佐した経験がある

このほか、一定の役員等としての経験を持つ常勤役員等と、その常勤役員等を直接補佐する者を置くことにより、組織として要件を満たす方法もあります。補佐する者には、申請者の事業者における財務管理、労務管理、業務運営について、それぞれ5年以上の業務経験が必要です。

単に役員だっただけでは足りない場合があります

会社の登記簿に取締役として記載されていても、それだけで必ず経営経験が認められるわけではありません。

建設業を営んでいた期間や、その人がどのような立場で経営に関わっていたかを、客観的な書類で確認できる必要があります。

例えば、次のような書類を使用することがあります。

  • 登記事項証明書
  • 建設業許可通知書
  • 確定申告書
  • 工事請負契約書
  • 注文書や請書
  • 請求書
  • 入金記録

必要となる書類は、経験した立場や申請先の行政庁によって異なります。

必要な社会保険に加入していること

社会保険の適用事業所に該当する場合は、適切な加入手続を行っていることも必要です。

対象となるのは、主に次の保険です。

  • 健康保険
  • 厚生年金保険
  • 雇用保険

ただし、すべての事業者に一律で、すべての保険への加入義務があるわけではありません。

法人か個人事業主か、従業員を雇用しているかなどによって、加入義務の有無は異なります。適用対象となる営業所について、必要な届出が行われていることが求められます。

2.営業所に必要な技術者を置いていること

建設業許可を受けるには、許可を受けて建設業を営む営業所ごとに、一定の資格または経験を持つ営業所技術者等を置く必要があります。

一般に「専技」と呼ばれることの多い要件です。

営業所技術者等は、取得しようとする許可業種に対応する資格または実務経験を持ち、原則としてその営業所に常勤している必要があります。

一般建設業の場合

一般建設業許可では、主に次のような方法で要件を満たします。

  • 対象業種に対応する国家資格を持っている
  • 指定学科を卒業し、所定の実務経験がある
  • 対象となる建設工事について10年以上の実務経験がある
  • 法令で定められたその他の資格・経験を持っている

どの資格が使えるか、どの工事経験が必要かは、取得しようとする許可業種によって異なります。

例えば、鉄筋工事業の許可を取得する場合には、鉄筋工事業に対応する資格または実務経験が必要です。

建設業であれば、どのような工事経験でも利用できるわけではありません。

特定建設業の場合

特定建設業許可では、一般建設業よりも厳しい技術者要件が設けられています。

取得する業種によって、一定の国家資格や指導監督的な実務経験などが必要です。

特に、土木工事業、建築工事業、電気工事業などの指定建設業では、原則として一定の国家資格などが必要になります。

実務経験は書類で証明する必要があります

資格ではなく実務経験によって申請する場合は、主に次の事項を確認できる書類が必要です。

  • 対象業種の工事について、実務経験を積んだこと
  • その実務経験を積んだ期間
  • 会社員としての経験を使用する場合は、その勤務先に在籍していたこと

工事内容については、契約書、注文書、請書、請求書などを使用することがあります。

在籍期間については、健康保険や厚生年金の記録などを使用することがあります。

長年現場で働いていた場合でも、期間や工事内容を書類で確認できなければ、実務経験として認められない可能性があります。

3.請負契約について誠実性があること

3つ目は、請負契約の締結や履行について、不正または不誠実な行為をするおそれが明らかでないことです。

法人の場合は会社だけでなく、役員や支店長、営業所長など、建設業の取引において重要な立場にある人についても確認されます。

過去に請負契約について重大な不正行為などを行っている場合には、この要件を満たさない可能性があります。

過去に請負契約に関する処分や重大な契約違反などがある場合には、事前に確認が必要です。

4.一定の財産的基礎があること

建設工事を始めるには、材料費、人件費、機械器具の購入費など、一定の資金が必要になります。

そのため、建設業許可を受けるには、工事を適切に請け負えるだけの財産的基礎または資金調達能力が必要です。

一般建設業の場合

一般建設業許可では、次のいずれかを満たす必要があります。

  • 自己資本が500万円以上ある
  • 500万円以上の資金調達能力がある
  • 許可申請直前の過去5年間、建設業許可を受けて継続して営業した実績がある

新規申請で自己資本が500万円未満の場合でも、金融機関の残高証明書などによって、500万円以上の資金調達能力を証明できる場合があります。

なお、資本金が500万円あることと、自己資本が500万円以上あることは同じではありません。

会社の決算内容によっては、資本金が500万円以上あっても自己資本が500万円を下回ることがあります。

特定建設業の場合

特定建設業許可では、次のすべてを満たす必要があります。

  • 欠損額が資本金の20%を超えていない
  • 流動比率が75%以上である
  • 資本金が2,000万円以上ある
  • 自己資本が4,000万円以上ある

特定建設業者は多くの下請業者を使用することが想定されるため、一般建設業よりも厳しい財産要件が設けられています。

建設業を営む営業所の実態も必要です

建設業許可を申請するには、建設業の営業を行う営業所が必要です。

単に会社の本店として登記されているだけでは足りず、工事の見積り、入札、請負契約の締結などを行う場所としての実態が求められます。

営業所には、事務所として使用できる場所があり、電話や机などの設備を備え、請負契約について権限を持つ人や営業所技術者等が常勤している必要があります。

4つの要件に加えて、欠格要件に該当しないことが必要です

ここまでの4つの要件を満たしていても、申請者や役員などが欠格要件に該当する場合は、建設業許可を受けることができません。

欠格要件には、例えば次のようなものがあります。

  • 破産手続開始の決定を受け、復権していない
  • 一定の理由によって建設業許可を取り消され、所定の期間が経過していない
  • 一定の法令違反によって刑罰を受け、所定の期間が経過していない
  • 暴力団員または暴力団員でなくなってから所定の期間が経過していない
  • 暴力団員等が事業活動を支配している
  • 許可申請書などに重要な事項について虚偽の記載がある
  • 申請書に記載すべき重要な事実が記載されていない

法人の場合は、会社だけでなく、役員や一定の支店長・営業所長などについても確認されます。

欠格要件は内容が細かいため、過去の処分や刑罰などに心当たりがある場合は、個別に確認する必要があります。

要件を満たしていることと、証明できることは別です

建設業許可の申請で特に重要なのが、要件を満たしているだけでなく、その事実を書類で証明できることです。

例えば、建設業について十分な経営経験があったとしても、当時の工事実績や役員としての在任期間を確認できる書類がなければ、申請が難しくなることがあります。

同様に、10年以上現場で働いていた場合でも、対象業種の工事に携わっていた期間を証明できなければ、営業所技術者等の要件を満たすとは認められない可能性があります。

そのため、建設業許可を検討するときは、次の順番で確認することが大切です。

  1. 取得する許可業種を確認する
  2. 経営経験を持つ人がいるか確認する
  3. 必要な技術者がいるか確認する
  4. 経験を証明できる書類があるか確認する
  5. 社会保険や財産的基礎を確認する
  6. 欠格要件に該当しないか確認する

まとめ

建設業許可を取得するためには、次の4つの許可要件をすべて満たす必要があります。

  • 建設業の経営を適正に行える体制があること
  • 営業所に必要な技術者を置いていること
  • 請負契約について誠実性があること
  • 一定の財産的基礎があること

これに加えて、申請者や役員などが欠格要件に該当しないことも必要です。

特に、経営経験や実務経験によって申請する場合は、どのような書類で経験を証明するかが重要になります。

当事務所では、お客様の現在の状況やこれまでの経歴をお伺いし、建設業許可を取得できる可能性や、必要となる証明書類を確認いたします。

「自社が許可要件を満たしているかわからない」

「資格がなくても実務経験で申請できるか知りたい」

「過去の経験をどの書類で証明すればよいかわからない」

という方は、お気軽にご相談ください。

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